男ありて

男ありて

(1955)
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No Time for Tears / Otoko arite

  • 编辑
    导演:丸山誠治 编剧:菊岛隆三
  • 主演:志村乔/夏川静江/冈田茉莉子/伊東隆/三船敏郎/藤木悠/清水元/清水将夫/土屋嘉男/松尾文人更多
  • 类型:剧情/喜剧 制片地区:日本 影乐酷ID:5034729dv IMDB:tt0048457
  • 语言:日语 片长:109分钟 上映:1955-05-10(日本)
  • 简介:
    監督の島村(志村)は、毎朝自宅のトイレを占領して、作戦計画を立てるのが日課だった。   彼の家庭は、妻(夏川)と長女のみち子(岡田)、年を取って生まれた小学2年生の長男照男(伊東)、そして、犬のコロとの生活である。   しかし、残り試合数も少なくなり、最終の結果如何では、自らの進退問題が掛かっていた。   そんな島村にとっては野球の事しか頭になく、家庭の事など一切顧みない。そうやって、18年間も監督業に専念してきたのだった。   2人の子供達は、そうした父親を何となく疎んでいた。当然ながら、島村は家庭の中で孤立しており、唯一の遊び相手は犬のコロだけという状態にあった。   その島村家の2階に、新人ピッチャーの大西(藤木)が、下宿する事になった。   朗らかな性格の彼のお蔭で家庭は明るくなり、照男も彼に懐(なつ)いた。また、同年輩の大西とみち子は、急速に親しくなって行った。   そんな様子を見て面白くないのは島村本人で、もしかして娘に間違いがあるのでは、と日々気が気ではなかった。   やがて、2人は愛し合うようになった。ある日、2人が映画を観に行ったことを知り、島村はまず練習だと大西を叱った。   一方、先輩として島村を尊敬しているコーチで選手のリーダー的存在の矢野(三船)が勧めても、島村は中々大西を起用しようとはしない。   さらにある試合で、3塁のピンチランナーに起用した大西が、島村がサインを出さないのに勝手にホームスチールを敢行してしまった。   結果はセーフで試合には勝ったものの、島村は大激怒した。そして、監督の指示に逆らった大西を、ロッカールームで殴りつけてしまう。   悔しさで泣き出して恨み言いながらも、大西は素直に謝った。しかし、島村は大西を家からも追い出す行為に出た。   その出来事が原因で、家族達も父親の横暴さに猛反発し、みち子が家を飛び出してしまった。   大西とみち子の愛情を知った矢野は、大西を彼の家へ引き取ることにした。彼の妻は病弱らしいのに、である。そして、みち子も翌日に無事帰宅した事で、この問題は一旦は沈静化した。   だが、今度は、島村が試合中に審判(恩田)に暴行を働いて退場させられ、さらに1カ月の出場停止を申し渡されてしまった。   このままでは、今期の試合が終了してしまう事態に陥った。島村は家でペンキ塗りなどをして気を紛らわせながら、必死に復帰の日を待ち侘びるしかなかった。   しかし皮肉なもので、若い矢野が監督代理を勤めるようになってから、チームが急に活気付き始めた。   それに気を良くしたオーナーの小池(清水)は矢野を呼び、来年からの監督就任を打診するのだった。だが矢野は、島村を蔑(ないがし)ろにするかのような要請は、頑として受け入れなかった。   その夜のことである。そんな事とは知らない島村は、矢野からお好み焼き屋へ誘われた。   そして、矢野の円満な家庭の話を聞かされている内に、自らの家庭を顧みて来なかった日々を反省するようになった。   その翌日になり、久し振りに妻を誘い出し、彼女が希望する少女歌劇を鑑賞しに行った。   その後、矢野に教えてもらったお好み焼き屋で今後の事をしんみりと話合っていた2人に、出場停止の解除が知らされた。   引退を仄めかす島村に対して、妻は「仕事をしているあなたが好きだ」と笑って現役続行を促すのだった。   喜んだ島村はその場から、九州シリーズを戦っているチームに合流する為に飛び出して行った。合流先の宿では、選手達全員が歓迎のどんちゃん騒ぎとなった。   一方、いつものように一人で自宅へ戻った妻は、久々の夫との外出を喜ぶ言葉をみち子に残した後で突然倒れた。   遠征先の島村の元へ、妻の急死を知らせる電報が届いた。急いで帰京した島村は、まるで魂が抜けたように妻の霊前に座った。だが、その心中を知らない子供達は、涙一つ見せない父を憎んだ。   初七日も済まない内に、島村は再び試合に臨んだ。4対3のリードの流れの中で、9回の裏にスパローズの捕手が負傷した。   島村は老躯にマスクを付け、かつてのポジションだった捕手を務めた。そして、彼の老巧なリードで、見事に勝利を収めた。   球場全体に湧き返る喚声の中を黙々と引き上げた島村は、控室でオーナーの小池に辞表を出した。   晩秋の陽ざしが淡く射す墓地で、島村は妻の墓標の前に跪き、初めて声を上げて泣いたのだった。肩を震わせて泣く彼の嗚咽(おえつ)は、いつまでも続いていた・・・。   <一言>   この作品は、野球を描いた日本映画の最高傑作、とまで一部では評価を受けていると言われている。   それほど、日本には野球の映画は少ないのだろう。ただ、作品として傑作かどうか、となればかなり疑問も湧く。   やはり、物語としては、老監督が捕手を代行する最後の勝利の場面などは、余りにも上手く出来過ぎている、と思われるからである。   いずれにしても、主人公の監督は、野球一筋で家庭人としては失格の男性。監督としても、すでに全盛期は過ぎており、チームをまとめる事さえも覚束なくなって来ている。   しかし、当人はその現実を認める事が出来ず、ひたすら野球に没頭する事で全てを忘れようとする。   これは、野球(プロの)に限らず、働く日本人男性の一つの典型であり、ここに描かれているのは、どこにでも起こり得る(得た)悲劇と言えるだろう。   父子の確執や年長者と若者との確執など、あり勝ちなテーマではある。それだけに、主人公が妻の死後に初めて男泣きに泣く場面には、やはりほろりとさせられるものがある。   監督を演じる志村が中々の好演ではある。映画の設定では、志村は51歳との役柄である。   またコーチ役の三船は、暖かい目でそんな監督を見続ける真面目なベテラン選手という感じ。   投手役の藤木に対しては、頼りになる兄貴分といった存在である。監督代行で勝利を重ねるなど、才能も中々のものらしい。   ドラマの中心は、志村と夏川の夫婦関係である。夏川が家事を行い、志村は家の事は何もしない(出来できない)と言う間柄。この時代(今も存在するか・・・)にはよくあった構図なのだろう。   そして、家族サービスもしない父親に対する家族の愚痴は、娘の岡田に言わせる設定になっている。   岡田の個性は、そんな役柄に良く嵌まっている。また、夏川も古いタイプの母親を実に的確に演じている。役者は一応そろっている、と言える。   志村が三船に教えてもらったお好み焼屋に妻を久々に連れて行き、お好み焼を受け売りで指導するシーンは中々に微笑ましい。   頑固親爺の本質的な一面が垣間見られる。やはり、かつての日本にはこんな男性が多かったのだろう・・・?   そして、唐突に妻が死ぬ。謹慎が解けて試合に出られる夫の喜びと対象化して描いているのだろうが、やはり如何にも唐突感は否めない。   葬式では涙を流さないで、最後の試合が終わって墓前で1人で泣く男。文字通り、肩を震わせて嗚咽が止まらない。   確かに観客の涙はそそるかも知れないが、やはり〝臭い〟演出ではないか。ただ、火葬場で煙突の煙を見て佇む志村のショットは、しんみりとする良い感じではあるが・・・。   その前の最後の試合の最終回で、キャッチャーが負傷する。そこで、交代要員として監督自身が出場する。   幾ら過去は捕手だったとは言え、51歳の老齢(当時は)の身で、これはあり得ないことではないか。そして、見事なリードで勝利に導くのである。   最終打者の最後の1球に、島村がサインを出すと投手が首を横に振る。だが、彼は再度そのサインで押し遠し、そして見事に三振に仕留めて勝利を得る。   やはり、これは出来過ぎであり、漫画的とも言える展開ではないのか、と当時は違和感が否定出来なかった。この年になって観ればどうなのか、何とも言えないが・・・。   いずれにしても、プロ野球の監督と言う勝負師の世界は、他の職業の中でも特別に厳しい世界であることは理解出来る。   そんな職業感一筋に生きて来た〝仕事人間〟が、晩年になり実力(能力)が衰えて、初めて家庭生活(妻や子供達と)の良さに気が付く。   そうした観点からこの作品を観れば、野球の世界と言う特殊な世界の場面もそれなりに興味の湧く映画ではあった。(1955(昭和30)年キネマ旬報ベストテン25位)
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  • 最近更新:(2018-01-03)